人の力あってこそ ~Iccoka #4「マザーズ&ガールズ」オンラインプレビューの公演を終えて~
作品のことはまた別のnoteに譲るとして、
Iccoka #4「マザーズ&ガールズ」オンラインプレビュー公演が終わって、
一番に思ったことは、この事。
やはり一人では何もできない。
周りにいる人たちのおかげでここに立ててる、やりたいことができる。
これまでも人を募ってやったけど、今回ほど感じたことはなかった。
そもそも企画イメージは、久留里町家珈琲の真室さんの発言から立てた。
久留里という、東京からは小旅行的な距離の町で、演劇フェスをしたいと、初対面で言われた時にかなり衝撃とシンパシーを感じた…
企画は、自分発信ではない、自分の範疇を越えてきたもの。
変な話、この時から自分の垣根が取っ払われたのかもしれない。
というよりかは、企画を進める内にそうなって言ったという方が正しい。
はい。言わずと知れた、コロナのおかげです。
正直、2回も延期になるとは思わなかった。
10月にはできるものだと…みんな、思ってました。
ですが、叶わない、どうするってなった時にオンラインしかないやって。
でも、オンラインもそこまで好きとは思ってなかったんです。
やっぱり舞台とは違うものになる、空気が伝わりにくい。
…ここでも閉鎖的な私が見えるんですけど、本当にそう思ってたんですが、
8月に役者としての勉強の際、前半~中盤はオンライン、後半は稽古場っていうレッスンを受けまして、その時にオンラインと舞台の違いや良さを身をもって体験した訳で、それを経たから、今回の企画に進めた訳でした。
脱線。
それができたのは、随時相談しまくっていた作演チームのみなさんのおかげなんですよね。
相談されてたみなさんは信じられないかもしれないですが、私、5年前に東京出てくる前までは、人に相談なんて絶対しない人間でした。
人を信じられないという方が正確かもしれません。
相談する相手はいても、私はその必要性を見出していなかった、
一匹オオカミのように、一人で黙々とやることをこなす。
それが以前の私でした。…今でも、たまにいますけどね。
人に頼る=弱いじゃないですが、なんかそんなとこも勝手に感じてたり、
とにかく一人で任務を追行する忍のような、変な考えがありました。
でも、人と人が日常空間で隔絶されるという異常事態の中、自然だけはいつもと変わらずに咲き、散っていく姿を見たり、
燦々と輝く太陽や街を吹き抜ける風、
動いていく雲…。
その中でやり取りする言葉は、LINEなんですけど、特別な気がしました。
このヘンテコな状況の先に、私と想いを共にしてくれる人たちがいる。
これを乗り越えて、公演をやる!
勝手にですけど、強く思ってしまったのです。
先が見えない、予測できない。
そんな状況だったから、理不尽じゃないですか、なんか。
だから、これはこの人たちのお力を借りて、何とかカタチに、待ってる人の姿も見えていたから余計にするぞ、と。
でも、いろんなことが起きました、
やるなら、コロナ対策どうするの?
降板された役者さんの代わりは?
……
上演作品を変えたり、
併せて、フライヤーを作り直したり、
……
その後もコロナを受けて、スケジュールが変わったり、
大海原であれば、転覆するような波も来たりで、
でも、その中で素晴らしいなと思ったのは、今回集まってくださった
作演チームのみなさまも、役者さん達も話すことに時間をかけてくれる方々でした。
私は上記に書いたように、一人行動が多い分、人とのコミュニケーションがうまくない。だから、伝えたいことを伝えるのにも、上手に行かない。
その上、納得しないと進まない気質ですから、余計に時間がかかる。
その都度、諭してもらったり、話をひたすら聞いてもらったり、
普通は、面倒くさいと言われ、相手にしてもらえませんけど、
主宰だから、みんな、付き合ってくれたようです。
それが、なんか私にはうれしかったのです。
なんだ、これは話してもいいのか!みたいな、素直な喜び。
人の関わりって、面倒くさいですよね。
育った地域が、もろに本音と建て前文化の街ですので、昔から好きじゃないやと思っていました。だから、一人でいいやって。
でも、同じものに向かっていく道中の言葉のやり取りは、
いろんな感情が混じってても、楽しい。それこそ、自然の流れのようです。
そういうのなら、どんどん話そ、と思いました。
考えがそのように変わると同時に、
行動もどんどん変わっていったように思います。
やってみることを、美(よし)と言いますか、本当、それをひたすら進みました。貫きました。
公演振り返ると、まだまだ怖がりな所はあるから、クローズドだったり、いろいろ閉じこもりがちなんだけども、それでも今回は自分にしてはかなり開けたと感じてます。
その陰には、やはり作演チームだったり、
出演してくださった役者さん達だったり、
コロナ中に電話で話してた友だちだったり、
同じようにLINEやDMでやり取りしてた人たちだったり、
見えてる人の数は、出演者分ですけど、
それ以上の人たちの支えを受けて、公演を行なっていた訳です。
コロナという世界の動きが止まってしまう現象は、私にとっては、固まっていた頭と閉じていた心を開放する契機になったようです。
舞台というものは、一人ではなし得ない世界です。
それぞれの個性や得意なこと、スキルを組み合わせて生み出される世界。
その世界すらも、観る誰かがいなければ成立しません。
つながった世界。
この世界を、共に熱と力とで一緒に創っていく。そういう人たちと仕事をしていきます。
それは創る側、観る側、関係ないと私は思うし、その方が楽しいですから。
みなさん、本当にありがとうございました。
オンラインという初めてのプラットフォームでの公演は大きな問題もなく、無事に終えて、主宰として安心してます。
また、これからのことも考えないととも思ってます。
来年の公演のこともですけど、
自分のやりたいことをどう実現していくか?
Iccokaは私の場所なので、
自分に合ったやり方を確立させたいし、
役者としての私とのバランスを取る割合も考えたいし、
創った作品をどうチョイスして上演していくかも。
Iccokaは、3年目。
一段階終わったところです。
これからの活動も見ててください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Iccoka主宰 井川いずみ
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